行政書士みうら国際法務事務所

<最良の解決策をご一緒に考えましょう>

ストーカー(危機管理)

<ストーカーの実態>

日本国内において、統計数字からストーカーの実態が見えてきます。まず、ストーカーの内、「全く見知らぬ相手であった」とされるのはとても少なく、わずか7.6%です。つまり、残りの92.4%は家族や交際相手、配偶者、同僚といった「顔見知り」なのです。

 

次に被害者の性別を見ると、やはり圧倒的に多いのは女性で、90.8%。逆に加害者の性別では91.1%が男性。加害者に男性が多く、被害者に女性が多いというのはイメージどおりかもしれません。

 

被害者を年齢別に見ると、二十代(40.7%),三十代(28.7%)が飛び抜けて多く、逆に加害者の年齢を見ると、三十代30.3%)、二十代(26.8%)、四十代(19.4%)です。つまり、最も多いストーカー像は「三十代の男性が二十代の女性をストーキングする」というイメージです。これは世間の認識に近いと言えます。

 

動機が判明しているストーカーのうち、「好意の感情」が全体の59.6%、「好意が満たされず、怨恨」が32.8%。この二つだけで、実に92.4%を超えています。つまり、ストーカー理由のほとんどは、一方的な好意(愛情)によるものなのです。

 

ストーカーの手段を見ますと、最も多いのは「つきまとい・待ち伏せ」で、全体の51.2%あります。次に多いのは「面会・交際などの要求」で49.9%あります。(複数計上なので合計は100%を超えます)つまり、ストーカー事件が100件あれば、そのうち五十件以上に必ず「つきまとい」「交際の要求」など直接的な行為があるのです。

<ストーカーを生み出さない別れ方>

1、曖昧な別れ方をしない

自分の本当の気持ちを言わず、自分に都合のいいウソを言って別れないこと。相手はそのウソを突き止めようと動き始め、ウソが明確になった時、ストーカーになってしまいます。

2、相手のプライドを傷つけて別れない

ほとんどのストーカーは自己中心的でとてもプライドが高いと指摘されています。ですから、相手の欠点を突いたり、悪口をいったり、相手が激高するような態度を取って別れますと、その後ストーカーとなって現われてきます。

3、自然消滅に頼らない

出会い系での交際や遠距離恋愛によく見られるパターンです。被害者側はすでに交際が終わったと思っていても、ストーカー側は終わったとなど全く思っていないのです。電話とメールを着信拒否にしておけば、あきらめるだろうなどと自己都合だけで消滅させようとすれば、やはりストーカーを生み出してしまうのです。

<ストーカーが個人情報を知る方法>

1、「尾行と張り込み」

本人の後を尾行し、行く先を特定します。また、すでに特定してある場所で、あらかじめ張り込みをして、被害者の行動パターンを詳細に調べ上げます。ストーカーは、常識も及ばない程執念深く、あきれかえるほどの集中力と行動力で追ってきます。自身の全精力をかけて追い続けます。時間も費用も惜しまず徹底して動きます。被害者側からすれば到底理解できるものではありません。

2、「ゴミをあさる」

とても良く使う手口です。ストーカーはゴミの集積場を前もって特定しています。集積場のすぐ近くで待ち構えています。本人または家族がゴミを捨てるのを見届け、すぐにそのゴミを持ち去ります。

3、「郵便物を盗る」

郵便ポストはいくら鍵がかかっていても、投入口は開いています。道具を使い抜き取ります。

4、「盗聴器・発信機を仕掛ける」

東京・秋葉原の電気街に行くと手軽に買える盗聴器・発信機が大量に売られています。家の外壁に貼り付けるタイプの盗聴器は以外と発見されず、驚くほど室内の音を拾ってしまうのです。元カレなどからかつてもらった大きめのプレゼントや家電製品にも注意して下さい。中に仕掛けられていることもあります。

5、「なりすまし電話・なりすまし人物に要注意」

ストーカーはなりすまし電話をかけてきます。例えば「職場の上司」や「学校の元同級生」を名乗って、本人や家族、あるいは職場や同僚にまで接触してきます。なりすましに気が付かないと、決して知られてはいけない個人情報をストーカーに与えてしまうことになります。また、市役所の窓口も完璧ではありません。新聞報道でも、誤って、また、だまされて個人情報を盗られてしまったことが伝えられています。

<警察へ届ける>

いろいろと存在するストーカー対策の中で最も効果があるのは「警察へ届ける」という方法です。以外と常識的ですが、これ以上の方法は実際にはありません。但し、「警察に届ける」には「詳細な報告書」と「確実な証拠写真」を必ず添付して下さい。「警察署の対応は従前と比べてかなり改善されてきた」との報告もあります。以前は「警察に届けたが何もしてくれなかった」や「もっとはっきりした被害が出てから来て下さい」との対応に、とてもくやしい思いをしたとの意見も見受けられました。

<やってはいけない危険な行為>

1、1人で乗り込んでストーカーと話し合う

決してやってはいけない行為です。そのまま重大事件になる可能性があります。

2、友人や知人を巻き込む

空き巣や下着ドロボウとストーカーは全く別です。「友人の男性を自宅に呼んで、ストーカーに諦めさせよう」などと考えてはいけません。このような拒絶はストーカーを凶暴にさせ、友人までもが報復のターゲットにされてしまいます。

3、曖昧な態度を取り続ける

ストーカーを刺激したくない、または傷つけたくないという気持ちから受け入れとも拒絶とも取れる態度はしてはいけません。曖昧な態度はストーカーをより厄介な存在にしてしまいます。

 

4、自分自身だけで下手に解決しようと考え、かえって失敗してしまう例は数多くあります。全精力をかけて付きまとうストーカーに対して、日常生活をおろそかにできない被害者では、全く勝負になりません。警察のサポートを受けて対抗して行く以外に方法はありません。