行政書士みうら国際法務事務所

<最良の解決策をご一緒に考えましょう>

法定相続分 / 戸籍謄本・住民票取得

<戸籍謄本・住民票取得>                                                                相続が発生した場合には、被相続人及び相続人全員の戸籍謄本が相続人確定の為必要になります。

しかし、すべてを揃えられない場合も起こり得ます。

特に個人情報保護法の施行以後、自分以外の情報の入手は極めて困難となりました。

この時、行政書士は業務として、依頼者が必要とする戸籍謄本を全国の市区町村役所から取得することが出来ます。

又、住民票の取得も非常に厳格に審査されるようになって 来ました。

例えば、同じ家に同居している自分の親や子でも、一枚の住民票の用紙に

記載されていなければ、必ず委任状の添付が要求されます。

 

この場合でも行政書士は業務に関する請求において、依頼者の指示により住民票を本人に代わりに取得致します。

 

<印鑑証明書・サイン証明書>

遺産分割協議書を作成する場合、通常「印鑑証明書」を添付します。この時、海外に居住している相続人は、印鑑証明書がありません。このため、大使館・領事館、または、海外の公証人役場等で発行する「サイン証明書」を添付します。

尚、「戸籍謄本」は海外に居住していても、日本国内にあり、取得することが出来ます。

相続の基本

<相続人になれる人>

1、戸籍上の配偶者は常に相続人です。

2、第一順位 子

3、第二順位 両親

4、第三順位 兄弟姉妹

*注意 第二及び第三順位の方はそれぞれ、上位の相続人が全く存在しない場合にのみ登場します。

 

<法定相続分>

1、配偶者と子ども    各 1/2ずつ

2、配偶者と両親     配偶者2/3  両親1/3

3、配偶者と兄弟姉妹 配偶者3/4  兄弟姉妹1/4

 

<遺留分>*最低限法律により保障されているもの

1、配偶者と直系卑属のみ 相続財産の1/2

2、配偶者のみ 相続財産の1/2

3、直系卑属のみ 相続財産の1/2

4、配偶者と直系尊属のみ 相続財産の1/2

5、直系尊属のみ 相続財産の1/3

6、兄弟姉妹のみ なし

  

<特別養子・普通養子・認知された子・認知されない子・事実婚の方>

1、特別養子及び普通養子は子どもとしての 1/2の法定相続分があります。

2、特別養子は、実の親とは親族ではなくなっていますので、実の親の相続人ではありません。

3、普通養子は養親及び実親ともに親族です。従ってどちらの親に対しても相続人です。

4、認知した子は、嫡出子と全く同じで、全財産の1/2です。これは民法改正により、平成25年12月11日より施行されました。

それ以前は嫡出子の2分の1という規定が存在していました。

5、認知のない子及び事実婚の方は相続人ではありません。

 

<相続の以外と知らない大原則>

相続財産の分割は、すべての相続人が合意すれば、いかなるものであっても有効です。

 (例)「配偶者に全財産を渡す」 その他すべて可能です。

戸籍の重要な事例

相続発生時の戸籍の取得は、極めて重要です。

必ず取得しなければならないのは、

1、被相続人(亡くなられた方)の13歳位から、亡くなるまで

  のすべての戸籍(役所に眠っている分の一切を含む)

2、相続人(遺産を受け取る権利があると考えられるすべての人)

  の現在の戸籍

3、被相続人から見て、その兄弟姉妹にも遺産が引き継がれる

  場合には、被相続人の両親二人の13歳から、亡くなるまで

  のすべての戸籍(半血兄弟姉妹がいるか確定する為に必要)

 

これほどの戸籍を取得しなければならない理由は

亡くなった方のすべてを知っている方は、誰一人いない

からなのです。 

人は自分の一生のすべてを、包み隠さずに親族や友人に打ち明ける

事は絶対にしないからなのです。

 

わかりやすく例をあげます。

1、ある方の奥様が亡くなりました。 残されたのは配偶者の

  夫と一人息子のみと見えました。 長年連れ添った夫さえも

  「独身であった女性との初婚であるので、私達以外には決し

  て相続人はいない」と断言しました。 

  しかし、実際には違っていました。

  女性は今の夫と結婚する以前、ある男性との間に婚姻外の子

  を生んでいたのです。そして、その子を結婚する直前に養子

  に出したのです。 

  女性は子を産んだ為、新たに母と子の戸籍を作りました。

  そして子を養子に出す事で、戸籍には母一人となり、さらに

  本籍地を結婚する1ヶ月前に転籍させていたのです。

  この転籍によって、子は消えてしまいました。 

  現在の夫は妻の結婚直前の戸籍の状態に全く疑問を持たな

  かったのです。 もちろん通常からすればとても不自然な

  戸籍といえます。

  通常であれば、独身女性は両親の戸籍に入っているのです。

  この女性が夫に見せた戸籍は、わずか1ヶ月前に作成した

  ものであり、この女性が戸籍の筆頭者になっていたのです。 

  この夫に対しては、妻のみではなく妻の親族すべてが何一つ

  話してはくれなかったのです。とても不幸な話です。

 

2、半血兄弟姉妹について

  半血兄弟姉妹とは、父母のどちらかが同じ兄弟です。

  即ち、異母及び異父兄弟姉妹です。この半血兄弟姉妹

  とは、今回亡くなった被相続人から見ての人です。

  相続人から見た人ではありません。

  半血兄弟姉妹が問題になるのは、被相続人に子・孫・父母

  祖父母がいない場合のみです。配偶者の有無には関わらず、

  相続人として登場してきます。尚、全血兄弟姉妹が存在する

  場合には、半血兄弟姉妹の相続分はその1/2となります。

 

  通常、子か孫がいれば、相続が発生した時、配偶者と子か

  孫で配分します。

  

  被相続人に親が生存している場合、子がいなければ、

  配偶者と親とで配分します。

 

  ところが配偶者と兄弟姉妹の場合になると、今度は

  必ず、半血兄弟姉妹を調査する必要があるのです。

  半血兄弟姉妹にも相続分は認められており、全血の

  兄弟姉妹の二分の一となります。 

  但し、この方法にまで書き及んである書籍はほとんど

  なく、実際の相続人の調査においても、落ちてしまって

  いるのが現実です。

 

3、数次相続(又は相次相続といいます)の注意点

  数次相続とは、ある人が死亡し相続が開始したが(一次

  相続)その相続の遺産分割協議が整わないうちに相続人が

  死亡してしまい、新たに相続が開始する(二次相続)事を

  言います。

  この時、二次相続人の妻にも相続人としての権利がある

  のですが、多くの場合周囲の人たちが勘違いをし、相続人

  から除外されてしまうという事が数多く発生しています。

 

  最大のポイントは死亡の順序の違いです。

  先に夫が死亡しているのなら代襲相続となり、妻に

  相続権は発生しません。

  しかし、夫の父親が先に死亡し、その後、夫が亡くなれば

  数次相続となり、妻にも相続権があります。

  妻は夫の父親から見ると相続人ではない為、間違われて

  しまうのです。

  又、一次の相続を未処理に放置したまま数年間おいてしまう

  と、相続人の複数の方が亡くなることがあります。こうなると

  相続人が一気に増えてしまい、混乱することになります。

  相続が発生したら、すみやかに処理してしまうことが大切で

  しょう。

      代襲相続は何世代まで認められるのでしょうか。

  直系尊属及び直系卑属は何代でも認められています。つまり

  孫やひ孫の代も認められています。しかし兄弟姉妹は子まで

  となります。即ち兄弟姉妹の孫が代襲相続することはありま

  せん。

 

4、子と配偶者と兄弟姉妹がいて、父母はいない。

  配偶者のみに渡したいので、子に相続放棄をさせたい

 

  このような状態の時、ほとんどの人が間違った方法で

  処理しています。市販の専門書にも書かれていない

  現実もあります。

 

  ほとんどの書籍には次のように書かれているのです。

  「子と配偶者がいる場合には、兄弟姉妹には相続権は

  ない。従って、配偶者に全財産を受け継がせる為には

  子に相続放棄をさせれば良い」

 

  間違っているのです。

  実際にはどうなるのでしょうか。

  子が相続放棄をした時点で、兄弟姉妹にも相続権が全く

  新たに発生してしまうのです。

   

  相続放棄をさせるのなら、兄弟姉妹にも同時にさせる

  必要があるのです。極めて重要な事です。  

 

5、認知した子(婚外子)1人と配偶者が相続人の場合

  間違われやすいのですが、この場合共に1/2ずつが法定

  相続分です。

 

6、認知した子(婚外子)1人、前妻との実子1人、配偶者との実子1人、そして配偶者の場合は以下の通りです。

平成25年12月11日の民法改正・施行により、嫡出子と非嫡出子の相続分は完全に同一となりました。従って配偶者1/2,認知した子及び実子はそれぞれ1/6ずつとなります。

   

<遺留分の放棄>

商家や農家などにおいて、事業を継続させる為に、1人の家業の跡継ぎ人を除いた方達に「遺留分の放棄」をしてもらう場合があります。その方法は、相続の発生する前に家庭裁判所に対して「遺留分の放棄許可審判申立書」を提出し、許可を受けます。当然、事前に各相続人の同意をもらう必要があります。

 

<相続放棄>

相続放棄とは、よく間違えられてしまうのですが、ある相続人が「私は遺産をもらわなくてもいい」と周囲に公言することと思われています。しかし、正しくは、財産よりも債務が多く、むしろ拒否をして、負債を背負わないことを目的に利用されます。その方法は相続の開始を知った時から3ヶ月以内に「相続放棄申述書」を家庭裁判所に提出します。即ち、必ず相続が発生した後の手続きなのです。相続放棄が認めらますと、家庭裁判所から「相続放棄申述受理証明書」が交付されます。これによって、債務の取り立てに対抗することができるのです。誰かが相続を放棄すると、即ち「相続放棄申述受理証明書」を受け取ると、相続人の人数と相続分が変わります。つまり、放棄した人は、はじめから相続人ではなかったと見なされます。そして相続放棄をした人の直系卑属は、代襲相続することはできません。ここで最も大切なのは、相続放棄が家庭裁判所において承認されますと、相続税の課税基準が変更になる(低くなる)のです。例を挙げますと、平成27年1月1日以降の相続の発生に際して、妻と子2人では、3,000万円+600万円×法定相続人の人数です。即ち4,800万円から課税されるのですが、1人放棄すると600万円低くなるのです。つまり、4,200万円が課税基準になってしまうのです。十分注意して下さい。これに対し、家庭裁判所に申し出をしない場合は、必ず「単純承認」したと見なされます。ですから、曖昧なまま、相続放棄をすることは危険です。確信を持ってからして下さい。尚、身内内で「私は財産を受けなくても結構です」という意思表示は、相続の放棄ではなくて、「相続の辞退」または「相続を遠慮する」と考えると良いでしょう。この場合、課税基準は低くはなりません。

 

<相続の承認>

被相続人が債務を残した場合には、相続人は相続するかしないかを選択できます。認める場合を「相続の承認」といいます。まず「単純承認」とは債務と相続財産を無条件・無制限に引き継ぐことです。何の意思表示もしないと「単純承認」となります。これに対して「限定承認」とは、債務のうち、相続財産を超える部分の返済義務は引き継がない、とするものです。「限定承認」は必ず、相続人全員が一致して家庭裁判所に申し立てをします。受理されますと、取消しはできません。

 

<民法の婚外子の法定相続分に対し憲法違反の判決が下されました>

平成25年9月4日、最高裁判所は、「民法に規定されている婚外子の法定相続分を婚内子の1/2とする規定は憲法違反である」と判決しました。これを受け民法が改正され、平成25年12月11日施行により、婚外子と婚内子との法定相続分の差は完全になくなりました。

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